ASJ Freshニュース 第135号 (2025年12月2日号) 

ASJ Freshニュース

◆ 国際会議 APSIPA ASC 2025 参加報告 

◆ APSIPA 3MT Competition 参加報告 

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日本音響学会 学生・若手フォーラム 
ASJ Freshニュース 第135号 
2025年12月2日 発行 
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はじめに みなさんこんにちは! 今月号の ASJ Fresh ニュースは,国際会議 APSIPA ASC 2025 参加報告を立命館大 苗村さんから,また APSIPA で開催された Three-Minute Thesis (3MT) Competition の参加報告を東大 石川さんからお届けします! 

国際会議 APSIPA ASC 2025 参加報告 

はじめに 

立命館大学大学院の苗村です. 

今回は2025年10月22日から24日にシンガポールで開催されたAPSIPA ASC (Asia Pacific Signal and Information Processing Association Annual Summit and Conference) 2025の参加報告をします.本会議はアジア太平洋地域を中心とした信号処理や情報処理に関する国際会議です.音情報処理をはじめ,画像や通信など様々な分野の研究発表が行われています. 

APSIPA ASC 2025の様子 

本会議はシンガポールにあるShangri-La Hotel Singaporeで開催されました. 

今年は過去最高の581件の論文が投稿され462件の発表が行われました. 

前回のAPSIPA ASC 2024との大きな違いとして発表形態が挙げられます.本年より,すべてのセッションが5分間のスポットライト発表(ショートプレゼン)と30分間のポスター発表を組み合わせた計35分で実施されました.現地では過去最多の参加者数と新たな発表形態が相まって,発表時間を超えるほど活気に満ちた議論と交流が続いていました.特に,ポスター発表ではどのブースも人だかりができるほど盛況で,お目当てのポスターにたどり着くまで一苦労するほどでした. 

シンガポールの様子 

シンガポールは東南アジアに位置する小さな島国であり中華系,インド系など多様な民族が共存する多文化社会が特徴です.街中では想像以上に日本のブランドや日本語表記の看板などが多くみられました.特に,オーチャードロードの商業施設にあるフードコートにて日本語が通じたときは、とても驚きました.また,シンガポールの有名な観光地であるマーライオンやマリーナベイ・サンズ周辺は,夜遅くまで観光客でにぎわっており,活気にあふれていました. 

発表の感想 

私は,音楽データの欠損部分を修復する楽曲補完の研究について発表しました.今回の国際会議は,私にとって初めての国外渡航でした.加えて英語に強い苦手意識があり,発表前日は緊張で夜も寝れませんでした(笑).発表当日は,様々な国の研究者や学生の方々と議論する機会に恵まれ,たくさんの学びを得ることができました.一方で,うまく質問を聞き取れなかったり,言葉に詰まってしまったりと自身の英語力不足も痛感しました.今回の経験では,自身の課題が明確になったと同時に,今後の研究活動のモチベーションがより一層高まりました. 

おわりに 

来年のAPSIPA ASC 2026はベトナムのハノイでの開催が予定されています.年々注目度が増している会議です.是非参加を検討してみてはいかがでしょうか. 

(苗村公明 立命館大学) 

APSIPA 3MT Competition 参加報告  

はじめに 

はじめまして,東京大学博士課程1年の石川悠人です.先日私が参加してきたAPSIPA Three-Minute Thesis (3MT) competitionの様子をご紹介します. 

イベントの概要 

3MT competitionは簡単に言うと「3分間で自身の研究内容とその社会的インパクトを伝えるスピーチコンテスト」です.大学や国際会議で開催されることが多く,APSIPA ASCでは今年が初の開催ですが,音声・音響信号処理に関連する会議だとEUSIPCOにて2015年から毎年開催されています.なお,EUSIPCOでは博士学生のみ参加可能ですが,APSIPA ASCでは修士学生・学部生も参加可能であり多くの人が参加できるようになっています. 

APSIPA 3MTは8つの地域のLocal Chapter主催で予選をおこない,各地域の上位3名がシンガポールでの本選に進出できます.本選で上位3名に入ると賞金が,優勝するとトロフィーが授与されます.また,サプライズでSpringerから好きなTextbook1冊のプレゼントもありました. 

本選の様子 

本選では最終的に17名の参加者が発表し,各地域から1名ずつの審査員が評価する形でした.審査員や参加者以外にも聴講されている方も多くいらっしゃいました.また全員の発表後には,軽食と一緒に他の参加者と歓談する場も設けられました. 

感想 

3分間という短い時間で研究内容とその背景や重要性を伝えるという点ではポスター発表に近いですが,より英語でのスピーチ力が要求される印象です.噛まずに時間内に喋るだけでなく,適切なジェスチャーや話の切り出し方などスピーチ特有の難しさがありました.上位の方々は特にこれらの点で秀でており,私自身とても勉強になりました. 

(石川悠人 東京大学) 

おわりに 

今回は,国際会議 APSIPA とそこで開催された 3MT Competition について紹介していただきました.私自身は参加できませんでしたが,会議の盛り上がりや新しいコンペを知ることができました.記事作成に協力いただいた立命館大 苗村さん,東大 石川さんありがとうございました! 

(学生・若手フォーラム コンテンツ班 岡本 悠希 二見 颯 中澤 和司) 

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