ASJ Freshニュース 第123号 (2024年11月29日号)

ASJ Freshニュース

◆ 国際会議 DCASE 2024 Workshop 参加報告

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日本音響学会 学生・若手フォーラム
ASJ Freshニュース 第123号
2024年11月29日 発行
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はじめに

みなさんこんにちは!今月号のASJ Freshニュースは,環境音認識・合成に関する国際会議であるDCASE 2024 Workshopの参加報告です!2020年もDCASE Workshopは東京開催の予定でしたが,新型コロナウイルスの影響で完全オンライン開催でした.2020年のリベンジとして東京開催されたDCASE Workshopの参加報告を企業・大学それぞれに所属する方々から寄稿頂いたので紹介します.

DCASE 2024 Workshop 参加報告 Part 1

はじめに

皆さん,こんにちは,NECの砺波です.

2024年10月23日から25日にかけて開催されたDCASE 2024 Workshopに参加してきました.DCASE Workshopは環境音分析に関わる国際会議です.

※DCASE2024 Workshop: https://dcase.community/workshop2024/

学会の様子

2024年度は品川シーズンテラス@東京で開催されました.20年度も日本開催の予定でしたがコロナ禍ということでフルリモート開催でした.筆者は当時,学生として主著発表しており,当該若手フォーラムの参加報告も執筆していました.

DCASE Workshopでは,併設されたDCASE Challengeというコンペにおける課題設定が多くの会議参加に共有されていることやシングルトラック型の会議ということもあり,技術的に深い議論が活発という側面があります.そのため,オーラル/ポスターセッションに加え,town-hall discussionを通して,コミュニティの存在意義や実用用に向けた方針等に関しても自由闊達な議論がありました.

また,企業からの参加も活発で,本年度は 7 : 3 = non-student : student の割合でした.採択率は66%(43/65)であり例年並みです.

企業ブースにおいても,NTTの異常音検知とNECの光ファイバセンシングのコラボが実現し,枠を超えた自由かつ深い議論が行えることがDCASEの強みでもあります.

ノベルティやバンケットも非常に充実しており,運営の皆さんには頭が上がりません.

機能性の優れたオリジナルデザインのエコバッグやバンケットのクルーズ船写真

 

※DCASE2020 Workshop参加報告:https://asj-fresh.acoustics.jp/mailmagazine/2020-11-1757

おわりに

音声や楽音,自然言語や画像処理で研究する皆さんも交えて,より自由闊達な議論をしていきましょう!日本音響学会講演発表会においても,環境音分析に関わる発表件数が少ないので,学生の皆さんもぜひぜひよろしくお願いします.

(砺波 紀之 日本電気株式会社)

DCASE 2024 Workshop 参加報告 Part 2

はじめに

みなさん,はじめまして.東京大学の山内一輝と申します.

2024年10月23日〜25日に東京で開催されたDCASE 2024 Workshopに参加してきました.DCASE Workshopは音響イベントやシーンの分析に関する国際会議で,環境音分析分野のさまざまな研究者や技術者が集い,最新の研究成果や技術動向を共有する貴重な交流の場となっています.

イベントの概要

DCASE 2024 Workshopは東京の品川シーズンテラスで開催されました.今年は日本開催ということもあり,日本からも多くの方が参加されていました.会場では,コーヒーブレイクの際に日本の駄菓子が提供されるなど,和やかな雰囲気の中で参加者同士の交流が深まりました.

DCASE 2024 Workshopには65件の論文が投稿され,そのうち43件(口頭発表15件,ポスター発表28件)が採択されました(採択率:約66%).また,環境音分析に関する10種類のタスクが設定されたDCASE 2024 Challengeが同時開催されており,各タスクにおける結果のサマリーや提出された手法についての発表も行われました.環境音分析分野における最新の研究動向や手法を幅広く知ることができ,非常に興味深い内容でした.

イベントの様子

バンケットは,東京湾を巡るクルージングレストランで開催されました.開放的な船上では心地よい風を感じながら,美しい夜景を楽しむことができました.特に,間近で眺めるレインボーブリッジは圧巻で印象的でした.参加者同士で交流を深めながら,貴重な体験を満喫することができました.

感想

私は普段,音声分野を中心に研究活動に取り組んでいますが,今回初めて環境音に関する本ワークショップに聴講参加しました.音声分野以外の研究に取り組まれている方々と直接お話しする機会はこれまで少なかったため,非常に貴重で刺激的な経験となりました.

また,DCASE Workshopは規模が大き過ぎず,セッションがシングルトラック形式で進行するため,参加者同士が交流しやすい雰囲気があった点も非常に魅力的に感じました.

 

おわりに

環境音分析の研究にも,音声や自然言語処理などさまざまな周辺分野の技術や知見が積極的に取り入れられている印象を受けました.本ワークショップの Proceedings は公開されていますので,普段異なる分野の研究に取り組まれている方々にも,ぜひご一読いただければと思います.

DCASE 2024 Workshop Proceedings: https://dcase.community/workshop2024/proceedings

また,次回のDCASE 2025 Workshopはスペインのバルセロナでの開催が予定されています.ご興味のある方は,ぜひ参加をご検討いただければと思います.

(山内 一輝 学生・若手フォーラム コンテンツ班)

 

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