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日本音響学会 学生・若手フォーラム
ASJ Freshニュース 第97号
2022年9月30日 発行
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◆ 2022年日本音響学会秋季研究発表会 参加報告
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2020年3月,日本音響学会研究発表会はパンデミックの影響で急遽中止となり,その後2年間のオンライン開催を経て,今月14日〜16日の2022年秋季研究発表会は念願の現地で開催されました。3年ぶりとなりますので,久しぶりに対面で談笑する若手研究者たちもいれば,初めて現地発表の魅力を体感する学生たちも沢山いました。今月号の記事では実際参加された2名の方からのレポートをお届けします。
告知 学会初日に行われた本フォーラム主催のビギナーズセミナー資料は現在公開されました。詳細はこちらのビギナーズセミナー一覧からをご覧ください:https://asj-fresh.acoustics.jp/page-943
開催会場の北海道科学大学 |
ビギナーズセミナーでのご講演の様子(北海道医療大 榊原先生) |
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2022年日本音響学会秋季研究発表会 参加報告 〜初現地参加〜
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1. はじめに
電気通信大学大学院修士2年の本地と申します。羽田研究室で主に信号処理を用いた音声の分析について研究しています。9月14日から16日の間,北海道科学大学で開催された日本音響学会2022年秋季研究発表会に参加し,聴講とポスター発表を1件行いました。
2. 現地開催の様子・感想
今回の音響学会は久しぶりの現地開催ということで,発表は北海道科学大学内の3棟にて,第1~12会場+ポスタ会場で行われました。セッションによっては(基本的に密を避けるために1つ空けでしたが)満員の会場もあり,活発な議論が目の前で繰り広げられる様を目の当たりにして,オンライン開催では感じることができなかったリアルな熱量を感じることができました。
私自身,研究室に入ってから初めて現地開催された学会への参加ということもあり,オンライン開催との差をひしひしと感じました。
特に違いを感じたのが学生・若手フォーラム主催の学生コーヒーブレイクです。私は2日目のコーヒーブレイクに参加しましたが,日本各地の音響分野に携わる自分と同じ学生の皆さんと交流することができ,やっと色んな学生のみんなとお話しできたことへの嬉しい気持ちと同時に,本来もっと早くこのように交流できたはずなのだなぁと寂しさも覚えました。
3. 自身の発表内容
今回,私は「頭部包囲型球面マイクロホンアレイによる子音の3次元発話放射特性分析」という題目でポスター発表を行いました。
人が発話した際に空間にどのように発話音声が広がるかについて,頭部を覆い囲うマイクロホンアレイを用いて測定を行い,球面調和関数を用いて周波数ごとの母音と子音の違いや発話者ごとの違いを空間的に解析しました。
現地開催でのポスター発表は,オンライン開催の時とは違って発表を聞いてくださる方々の表情が見えるおかげでコミュニケーションがとてもしやすく感じました。また,今後の研究に繋がりそうなアドバイスや議論をいただけたおかげで研究に対してのモチベーションがかなり上がりました。
4. 最後に
次回3月開催の2023年春季研究発表会は再び遠隔開催で実施予定とのことです。オンラインならではの良さも感じますが,今後の現地開催にも期待したいと思います。
(電気通信大学大学院・M2 本地瑛)
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2022年日本音響学会秋季研究発表会 参加報告 〜現地久しぶり〜
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1. はじめに
立命館大学大学院 博士2年の岡本です。今回は,9月14~16日に北海道科学大学にて開催された,日本音響学会秋季研究発表会の参加報告をします。対面での音響学会開催は実に3年ぶりでした。久しぶりの対面での研究発表会の様子をお伝えできればと思います。
2. 研究発表会の様子
発表自体は,コロナ以前と同様にマルチトラックで行われました。私は主に音声A・Bのセッションにいることが多かったのですが,どの発表も満席近くになるほど盛り上がりを見せていました。ポスター会場では,多い時は一度に40件ほどの発表がありましたが,感染症対策を意識してか,ポスター同士の間隔は2019年に滋賀県の立命館大学で開催された研究発表会の際よりも少しゆとりのある広さだったように感じました。
ポスター会場の近くには学生休憩室も用意され,学生・若手フォーラム主催のコーヒーブレイクが実施されました。オンライン発表会ではなかなか学生間で交流を行うのが難しい状況でしたが,対面ということもあり多くの学生がコーヒーブレイクに参加していて,活発に交流できたのではないかと思います。発表の時だけでなく,空き時間に他大学の学生や異なる分野の研究者と交流できるのは現地開催ならではの体験であり,やはり現地開催の学会は非常に楽しいなと感じました。
3. 自身の発表内容
私は,環境音合成と呼ばれる,音声・楽音以外の音を統計的に生成するタスクにおいて,生成した環境音をどのように評価するべきかについて検討した内容を発表しました。従来,環境音合成の評価では実験コストの観点から,客観評価が実施されることが主流でした。しかし,生成した環境音をメディアコンテンツのような人間が聴取する目的で利用する場面においては,人間による主観評価が必要であると考えました。そこで,生成音に対する客観評価と主観評価の結果を比較し,環境音合成においても主観評価が必要であるということを示しました。
発表自体はポスター形式で行ったのですが,やはり対面発表はオンラインの時とは異なり,質疑応答をスムーズに行いやすく,とても実りのある議論をすることができました。改めて,対面で実施される学会の重要性を感じました。
4. 最後に
3年ぶりの対面開催の音響学会に参加してみて,改めて対面での議論のやり易さと,学会に参加することの楽しさを再確認できました。次回は,オンラインでの開催となりますが,今後対面での開催が増えることを期待したいと思います。
(立命館大学大学院・D2 岡本悠希)
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おわりに
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次回の2023年春季研究発表会は残念ながらまたオンライン開催に戻りますが,オンラインならではのメリットも沢山ありますので(編者も今回の現地参加,オンラインのノリでスケジュールパンパン入れたら,会場間数往復してめちゃくちゃ疲れました),ぜひ奮って参加してみてください!