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日本音響学会 学生・若手フォーラム
ASJ Freshニュース 第73号
2020年7月28日 発行
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運営から見たオンライン学会
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前号ではICASSP2020や148th AESの参加報告をお届けしました.
今月号は,オンライン学会について参加者側ではなく運営側からの意見を伺っていきます!
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運営から見たオンライン学会
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はじめに
COVID-19の影響で,多くの学会がオンライン開催を余儀なくされています.
音分野に関連する学会では,前号で特集したICASSP2020や148th AES,
国内では6月には音学シンポジウム2020がオンライン上で実施されましたね.
今月号では,「運営から見たオンライン学会」と題しまして,
運営側の立場からオンライン学会はどう映っているのかフォーカスしていきます!
音学シンポジウム2020(http://www.sigmus.jp/?page_id=4626)において,
実行委員長を務められた明治大学の森勢将雅先生にお話を伺いました!
インタビュー内容
Q.招待講演や概要発表は Cisco WebEx ,ポスター発表は Remo で行われていました.現在広く普及しているZoomも選択肢にはあったと思いますが,これら2つを採用したのはなぜでしょうか?
A.企画段階で,招待講演とポスターセッションを別のツールで進めることは決まっていました.
当初は,招待講演をZoom,ポスターをRemoで予定していましたが,Zoomは一部組織で利用することが禁止されていたため,代替案を用意することになりました.今回はWebExに精通した委員がいたため,WebExを採用することにしました.
Remoはポスターセッションを考えた際に,1ポスターにつき最大6名で議論できるのは手頃だと判断し,テストしてみたところ接続も安定していたため採用しました.他にZoomのブレイクアウトルームも候補にはあったのですが,管理が大変ということで却下しました.
Q.運営の立場からオンライン開催の良かった・悪かった点を教えてください.
A.WebEx,Remoのどちらも大きな接続トラブルは報告されなかったのは良かったですね.一方,Remoについては,学生の発表に対して共著者が同じ場所に張り付いて応援していたため,実際には2, 3名しか議論に参加できないというケースがありました.
招待講演については,終了後の拍手が出しにくいことが気になりました.はじめは「8888」といったチャットが中心で,途中から終了後にマイクのミュートを解除して物理的に拍手してもらうことで対応しましたが,事前に拍手の効果音を用意して,講演終了後に流せるようにしておくべきでしたね.
Q.今後の課題や新たに検討してみたいことなどをお聞かせください.
A.発表・聴講という目的は今回概ね達成できたと考えていますが,「交流」については課題が残ります.
Remoによる懇親会も用意し,ポスターセッション中でも適宜交流できるようにしましたが,どうしても現実世界と比較すると交流の範囲が狭くなると感じています.これはツール側の問題で,VirBELAのようなVR空間内を動き回れるようなツールの利用は,解決につながると思われます.ただし,参加者側にもハードウェアを用意させる必要があり運営側のコストも上がるため,研究会レベルでの導入に対しては,SpatialChatなどの交流しやすそうなツールの導入を検討してみたいです.
おわりに
中止という選択肢もある中でオンライン学会を実現できたのは,
開催に向けて奔走して下さった運営の方々あってこそだと感じました.
インタビューをご快諾いただいた森勢先生、どうもありがとうございました!